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宝物(22)

   

そのまま母屋で夕食を食べ、お風呂に入った

琴子がお風呂に行っている間

直樹は誠也と話をしていた

婚姻届の保証人として、如月が先に署名していたのを見て

「家で引き受けるのは、未成年がほとんどなんだ、親の反対だったり、相手がどうしようもない奴だったり…如月は親達と話し合いしたり……相手に就職先を世話してちゃんと生活出来るように面倒をみてる、なかにはそれも無理で養子縁組した子もいた、養子に出す母親は大抵相手がわからない子や相手に家庭があったって子ばかり、そのために新しい人生をやり直すってのがほとんどだ…」

「……」

名前を書き、判を押すと

「支援センターのほとんどがDV被害の女性しか扱われていないと思ってる…」

「そうなんですね」

「今は、産婦人科でも、事情があると解れば支援団体を紹介してくれるようになっては来たけど…未成年を受け入れる場所は少ない、社会人で働いてある程度お金が有るなら支援センターでもいいし、親に話してなんとかなるならいいが…それも難しい……生活もある、病院だって無料ではないしな…」

「難しい問題ですね……」

「そうだな、でも良かった、琴子は子供に父親はいないと教えると言っていたから……心配だったけど、迎えに来てくれて」

「長い間ありがとうございました、僕が至らなかったんです、琴子が側に居てくれるのが当たり前で、琴子が居なくなるなんて思いもしなかった……様子がおかしいとは思っていたけど…妊娠に気づいてやれなかった……」

「まぁ…妊娠が解るのには時間差があるからな……女は体調の変化で解るが、男は言われるまでわからない……」

        

            

             

清みきった夜空に、沢山の星

「……綺麗でしょ?」

「スゲーな…」

「流星群の時は、流れ星みたの」

母屋から、部屋に戻る時に夜空を見上げる二人

「東京じゃ、見えないな…」

「こんなに沢山の星があるんだって、感動したんだよね…」

「……吸い込まれそうだな…」

「あっちにみえるのが、金星なんだよ」

「へ~」

一番大きく輝いている星を指さす琴子

         

部屋に入り、婚姻届を書く直樹

保証人の欄には、如月と誠也の名前

「……ほら、琴子」

「……なんか…緊張する……」

「ゆっくりでいい…」

「うん」

直樹が見本に書いてくれた通りに記入していく琴子

「誠也さんが明日にでも、提出して来るといいって…」

「そうだね」

            

直樹用に布団は運び込まれたが、琴子のベッドに並んで横になった

最近は上を向いて眠るのが難しいと横になっている琴子のお腹に手を置く直樹

「…不思議だな……ここに俺の子供がいるって…」

「…そうだよね……」

「あの時…気づいていたら……こんなにお前を苦しめなかったのに…」

「……それは…言わないで……この子がいたから…あたしは今日まで頑張ってこれたの……どんな事があっても、この子と幸せになろうって…この子がいなかったら……あたしは……結婚しないで一人で生きていくつもりだったんだもの…」

「……これからは、三人で幸せになろ…どんな事があってもお前とこの子は俺が守るから……」

     

    

🚐

翌日誠也の運転で、市役所に行き婚姻届を出した

    

「よし!今日は琴子と入江君の入籍祝いをするからな」

「そんな事いいのに……」

「そんな訳にはいかないよ、めでたい事なんだぞ、それに今日はじぃが、ぼたん鍋振る舞うって、朝から張り切ってたし」

「ぼたん鍋ですか?」

「一昨日、仕留めた猪だ」

「ここに来たばかりの日には、猪のお肉でバーベキューしてもらったの」

「東京じゃ、ジビエ料理としてやってる店もあるけど、食べたことはないな」

「え~そうなの?」

「街じゃ、鹿や猪なんていないからな」

「野生だと、肉に臭みがあって料理が難しい」 

「そういえば……熊のお肉の下処理は大変そうだったね……」

「熊の胆は消化器科の万能薬として重宝されてる」

「……あのにが~い黒いのだよね……」

「お前飲んだの?」

「……うん…」

「秋口に夏バテて気味になって食欲無くして、じぃに飲まされたんだよな」

「…あれは…二度と飲みたくない……」

      

         

その夜は二人の入籍を祝ってもらい、重雄や和希からも電話で祝福の言葉をもらった

2月の寒い時期は相原はある意味かきいれ時で、予約客でほとんど埋まっている店のカレンダー

琴子の出産予定日前後に、重雄は小さな丸を付けていた

       

           

翌日

「入江君……車の運転出来たの…」

「当たり前だろ…」

琴子の出産に立ち会うつもりで来た直樹、何もしない訳にはいかない、誠也の車を借りて、きよに頼まれた買い物にやって来た

「…あの……」

「なに?」

「あたしの事…おじさんやおばさんには……」

「まだ、言ってない」

「え!!そ、それって…勝手に結婚しちゃって……大丈夫なの…」

「…成人してんだ、大丈夫だろ、それに親父やお袋が反対するわけないし……」

「…で、でも……ほら…赤ちゃん……いるし…」

「万々歳なんじゃない?お袋は高校の頃からずっと望んでた事だし」

と話す直樹に

「そ、そうなのかなぁ…」

「…心配するなこれからの事お義父さんとちゃんと話合ってきたから」

自分の父とどんな話し合いをしたのかは知らないが、直樹と父がこの先の事を考えてくれているのなら、大丈夫

そう思った琴子は

「入江君、ありがとう、それから……入江君大好き」

「……俺も…」

その言葉に笑顔になる琴子

         

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コメント

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No title

アハハ!紀子ママもびっくりですね知らないうちに、琴子ちゃんと結婚そして、赤ちゃん?もともと琴子ちゃんを希望していましたが、まさか、結婚、赤ちゃん、紀子ママ悔しがりそうだね先起こされたってe-68

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Re: タイトルなし

greenさんコメントありがとうございます

やっと結婚できました、琴子ちゃんの為に重雄お父さんは、いろいろ準備してくましたからね

入江君なりに考えたでしょうね、もう臨月の琴子ちゃんに余計な刺激を与えたくないでしょうから

Re: No title

なおなおさんコメントありがとうございます

そうですね、入江家には何も伝えていないですからね
まさか、あの直樹が、勝手に結婚して、子供まで!という所ですよね

Re: ありがとうございます

ルルさんコメントありがとうございます

無事に入籍出来ました!

入江家にはね……重雄お父さんも紀子ママの事はよくわかっていますからね…入江君に相談されたら、一番いい方法を選択しますよね

本当にね、周りの人達の協力でここまでこられたのだからね
それはありますね、都会っ子でお坊ちゃんの直樹は雪国の生活なんてね…カルチャーショックはあるかも(笑)

沙穂子さん……こんなに扱いが違うの知ったらね…
あのまま、結婚して……もしも琴子ちゃんを直樹の側に置いた日には……

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初めてイタズラなkissのIF物書いてみました