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うちの家主が・・・な件

         

3月……

「入江先生~ありがとう~」

「美味しそう~」

子供達が手にしている袋には、名前が書かれている

琴子が一つずつ、包装して、名前を着けていた

側にいた看護師が

「奥様、豆ですね、子供達1人1人の名前まで」

「こういうこと、嫌いじゃないやつだから、楽しそうにやってたよ」

「私は無理だわ……」

「仕事も家庭も、それに今お腹も大きいから大変なんじゃないですか?」

「負担のかからない範囲でやるように行っておいたんですがね、お袋と楽しそうにしてたし、それで気分転換にるなら……」

       

        

この日のために、琴子はチョコレートクッキーを作っていた

そのため……家の中は甘い匂いが充満、まだ寒いから窓を開け放つ訳にもいかずそもそも自分がもらったバレンタインチョコをホワイトデーの御返しのためにクッキーを焼いているのだから、文句等言えるはずもなかったが……

お袋も手伝っくれて大量のチョコは全て御返しに変えてくれたおかげで、俺の小遣いは一切使わないですんだし……

そもそも既婚者から、御返しがもらえるなんて甘い考えはどうなんだ?

たとえ義理とはいえ、個人的に渡されても非常に面倒なだけ

研修医が 

「奥さん……焼きもちとかないですか?」

「焼きもち……」

そういえばそんな事は一度もない……ただ、持って帰った事を進歩したと言われた事はある

なんだかんだで琴子には、俺の嫌な部分を観られてばかり……

ひどいことを言って、女子をなかせる、ラブレターはゴミ箱にまとめて捨てる

バレンタインチョコは、焼却炉に……

あげく……弟を助けてもらったのに、偽善者扱い……

まぁよくこんな俺と結婚してくれたものだ…

    

「やっぱり、焼きますよね~入江先生は結婚してもモテるし…」

「焼きもちはないな、高校から知ってるから、俺の性格…」

「……マジっすか!」

「逆に誉められたよ…持って帰ってきただけ進歩したって…」

「……奥さんてけっこうキツイこと言うんですね…」

「あいつくらいだろ、俺にそんな事言えるの」

「奥さん、かわいいからそんな事言わないと思ってた……」

「裏表が無いからな、まぁその方がありがたいけど、腹に溜め込まれて不機嫌な顔されるより、その場で言ってもらった方がこっちも対象できるし」

「あ~そういう考え方もあるか~俺は……無理だわ…言われたら凹む……」

「なら、言われないように、相手の行動を先回りして、考え行動するしかない」

「でも…女の人ってどこに地雷があるかわかわないっすよ…」

「…西垣先生にでも聞いてみろよ…」

「え~西垣先生か…」

研修生は眉間にシワを寄せていた……やっぱりあの人に聞くのは嫌なのか?

        

研修に入ったばかりの頃は、よってくる看護師の事情を毎回聞かされた…

唯一琴子のことは

(つれないんだよね……何にも教えてくれなくてさぁ~入江同級生だったんなら知ってるよね!)

(……知っていても、教えません、個人情報ですからね)

(え~、ずるいなぁ~入江は琴子ちゃんのかわいい高校時代知ってるのに、教えてくれないなんて~)

(…気持ち悪いですから、離れて下さい!)

    

とにかくしつこかった……

西垣先生が俺にまとわりついて、話しを聞きたがっているのを知った琴子は

(西垣先生!入江先生に聞いても無駄!クラスも違えば!接点なんて一つもありませんでしたからね!入江先生の邪魔しないでさっさと仕事して下さい!)

と言うと、横山が西垣先生の襟首を掴み、ステーションから引きずりだして行った……

今となっては、笑い話で終われるが、あの頃の琴子は、高校の頃とは別人だった…西垣に話していたら

(ギャップ萌え~)なんて喜ばせる事になっていたかもしれない……

「でも、入江先生と奥さんて、仕事とプライベートぜんぜん違いますよね」

「はぁ?」

「こないだ見ちゃいました~二人で楽しそうに買い物してるの~」

「当たり前だ」

結婚前なら、見られたら大変と、大型のショッピングセンターじゃなく

近くの商店街やスーパーにしか行かない様にしていた

今は二人揃って休みの日になるべくまとめ買いしている

そうしないとお袋が琴子をつれ回しそうだから

でなくても、ベビー用品をちょくちょく買ってきて、琴子が呆然としていたくらいだ

とりあえず出産時期は6月、暑くなる頃だから、冬物は止めてくれと言ったら、肌着やスタイ、ガーゼタオルなんかを買ってくれていたが……いくつ買って来たんだ!と言えば

(赤ちゃんは汗をかいて何回も着替えるからこのくらいあった方がいいのよ)

と言われた…一応小児外科医、乳幼児のことはわかっていても、家庭での細かい部分まではわからない

琴子は、義理でも両親と言える存在が出来て嬉しいと言ってくれ、お袋と本当に親子の様に見えるほど仲もいい

まぁ、嫁と姑が仲悪いと旦那は板挟みで大変だとわかっているが、うちには無縁だ

           

仕事も終わり、琴子を待っていた

最近は胎動が激しいと、お腹を押さえて、痛そうな顔をすることもしばしば

「元気な子ね~」

と細井師長は目を細めている、今月で琴子は産休に入るため、いろいろ後任の看護師に頼んでいた、もちろんそれは桔梗なのだが……

「ごめんね」

「お疲れ」

「お疲れ様」

結婚してから、なるべく琴子と同じシフトにしてもらえた、師長の計らいだから文句を言ってるのは西垣先生くらい

「明日何時だっけ?」

「9時の新幹線」

明日から一週間俺は神戸……その間琴子は入江の実家で過ごす事になっている

一週間……お袋が甘やかすのは目に見えてるが、実際が留守の間に琴子の身に何かあっても、困る

そのために今日まで、食事に気を使い、間食も禁止して来たんだ

         

           

翌日、俺は琴子に送られ神戸に

お袋は新幹線のホームで、すごく嬉しそうに手をふる……

一週間お袋は琴子を好きに出来る……はぁ~やっぱり早めに産休を取らせるべきだった……そうすれば神戸に連れて行けたのに……と座席に座りため息がでた

     

神戸についてその足で病院に

今はお袋の所有するマンションの一室を神戸の出張用の部屋として使わせてもらえているから、病院の医局や仮眠室で寝泊まりはしなくてすんでいる

最低限の着替えも置いてあるから、出張用に荷造りする必要もないから、通勤の鞄しか持っていないから楽ではある

      

            

        

 

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Author:itkiss
初めてイタズラなkissのIF物書いてみました