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宝物(12)

    

         

11月

ゲームが完成し、本格的に生産ラインが稼働

アニメ部達はやっと解放されたが社長代理の直樹にはやることが山積みだ

      

        

「社長代理……お電話です、斗南大学の、松本様とおっしゃる方ですが…」

「…わかりました、繋いでください」

     

「もしもし……」

(忙しい時にごめんなさいね、どうしても聞きたい事があって)

「…なんだ?」

(大学に入江君や相原さんの事を聞きに来た人がいたのよ、あなた達がどんな関係だったのか……私達は、見たままを話しておいたけど、何かあったの?)

「別に…何も……」

(そう、それならいいわ、素行調査にしては、大胆だったから、何か二人にあったのかと思っただけよ)

「ふぅん…」

(それじゃね)

「松本……」

(何かしら?)

「頼みがある、斗南に鈴村和希と言う学生が居ないか調べて欲しい…」

(……鈴村…和希、わかったわ…)

「それから…」

(……相原さんなら……自主退学しているわよ…)

「え…」

(夏休み前に出していたみたいよ……)

「そうか…」

(それじゃ、わかったら連絡するわ)

「よろしいく…」

     

琴子が大学を辞めていた…やっぱり……

予感はしていた、産婦人科の用紙を見つけてから、誰にも連絡もしない、姿も見せないのは、妊娠している事を知られないため、休学では今後復学したときにバレてしまう

    

琴子を探したくても、今は動く事も出来ない……直樹は持っていたペンを思わず壁に投げつけた

   

            

            

🍁🍁

「冷たい……」

「ほらほら、速くしろ」

「きよばあちゃん…冷たくないの……」

「こんなの慣れだ、慣れ」

きよと二人で、樽に切った白菜を着けていく琴子

自家製の白菜の塩漬けを作っていた

「琴子はこれから一人で子育てもしないといけなくなるんだよ…少しでも家事をこなせる様にならなきゃいけないでしょ……」

「でもお付けものまで作るって…」

「買った物より、愛情が込められた食べ物の方が子供にいいに決まってる」

「…そっか、そうだね~」

ここに来てから、きよや雪とキッチンに立つ事が多い、どんなに焦げていようが味が安定してなかろうが、文句を言わない誠也に政臣

文句はないが、誠也は

「…琴子……火加減って知ってるか?」

といつも目を細目

雪は

「目分量はダメよ」

軽量カップやスプーンを差し出してくれる

そのおかげか、だいぶマシになってきた琴子の料理

                 

そして今日は……

「琴子さん……そこまでする?」

新を抱いてキッチンで琴子を見ていた美南は苦笑いしている

「だって…こっちは煮えてるかもだけど……こっちはダメかもって心配で…」

竹串し片手に、大根を片っ端からさしていく

「こういう時は、一番太い大根をさせばいいんだよ……」

「……そうなのね…」

二人で苦笑いしていた……

           

           

「琴子ちゃん、少し髪を切ってあげるわ」

「……」

「ここに来てから一度も切ってないでしょ」

「はい」

「お母さんが、お腹が大きくなると、なかなか髪の手入れも難しくなるからって」

雪の仕事は美容師

きよも誠也も政臣も美南も、雪に髪を華麗にカットしてもらっているのは何度か見ていた

縁側に新聞紙を広げ、椅子を置いた雪

     

「さて、どのくらい切ろうか?」

「……肩甲骨の辺りがいいです」

「了解」

髪を丁寧にとかしていく雪

「琴子ちゃんの髪は柔らかいわね、サラサラで栗色、これ一度も染めたことないでしょ?」

「はい」

「最近は染めている子が多いけど、地毛が綺麗な栗色だからいいね」

「でも、中学の頃はこの髪のせいで、それで何度か生活指導の先生に怒られてました…」

「あらら…」

「一度、お父さんに愚痴を言ったら、こっちも怒って……

~※~※~※~※~

中学に入学して2ヶ月……

「……」

「どうした、琴子元気ないが……なんかあったか?」

「…生活指導の先生に……三回も注意されたの…」

「…お前……なにしたんだ…」

「…何も…髪が茶髪だって……地毛だって言ったら…ぶつぶつ文句言われて……まぎらわしいから黒くしろ…みたいな事言われたの……」

「………」

「生まれた時からなのに……」

「なんて野郎だ!」

「……え!お、お父さん…」

重雄はテーブルをバンッと叩き、立ち上がった

朝食を食べていたのに、席を外し押し入れを開けてなにかを探していたが、琴子は

「お父さん……時間だから…行くね……」

「おう!」

「行ってきます…」

   

それから…一時間後

「うちの子は、生まれた時からこの髪色だ!」

校長室から聞こえて来る声

担任、生活指導、校長、教頭の目の前に広げられた、琴子のアルバム

重雄の隣に座る琴子は申し訳なさそうにしている

「…し。しかし……」

「染めろってか、校則では禁止されてるじゃないなか!」

「そ。そうですね…」

「む、娘さんは…とても目立つ色なので……」

「じゃなにかい、ここに金髪の外国人の子が来たら、黒にしろと指導するのかい?」

「……そ、それは…」

「地毛を染めろと言うなら、費用は学校が出してくれるのか?根元が元の色になれば、また染めに行かなきゃならねぇんだぞ」

「……」

「まぎらわしいから染めろたぁ、先生は子供の顔も覚えられないのかい?」

「そ、そんな事は……」

※~※~※~※~※

「……もう、恥ずかしくて……大変でした…でもお父さんが、亡くなった母親譲りの綺麗な髪なんだって言ってくれたのは嬉しかったです」

「今は、学校によって申請するからいいけど、大変だったのね」

腰辺りまで伸びた髪をカットされた琴子

「……なんだか、軽くなった…」

「髪はけっこう重いのよ、切るとさっぱりして気分もよくなるのはそのせいよ」

      

山の景色も姿を変え色づいた葉が落ち始めた

「うわ~蒔きストーブだ~」

「二人の部屋はストーブだからな」

「え?」

「ファンヒーターじゃないの?」

「あれはダメだ、空気が乾燥する、ストーブならケトルや鍋を置いておけば、加湿されるからな」

誠也と政臣が朝夕は寒くなって来たからと、倉庫から出して来てくれた

7ヶ月になったお腹に手をやり

「琴子、どうかしたのか?」

「ううん、なんだかもうすぐ冬なんだなぁって」

「東京と違って、ここらは冬になるのは早いからな」

         

             

🌁🌁

出来上がってきた、ゲームソフトをチェックする直樹達

「なんとか間に合いますね」

「そうですね」

日々忙しくしている

     

「社長代理、松本様からお電話です」

「わかりました」

受話器を取った直樹

「もしもし」

(わかったわよ、斗南大学、法学部の学生だったわ)

「そうか……」

(鈴村和希さんて男性だと思ったら女性なのね、驚いたわ)

「…まぁな」

(中川君が知っていて教えてくれたわ、とても優秀な人ね、それと義理のお兄さんは、弁護士よ名前は如月巧さん…この人…国際弁護もしているわ、しかも〇〇法律事務所…弁護会では、有名な所よ、鈴村さんそこでアルバイトしてるみたいよ)

「そこまで調べてくれたのか…」

(もちろん、優秀な人材は貴重よ、将来の為にも顔を覚えてもらって損はないわ)

「松本らしいな」

(この借りは高いわよ)

「もちろん、落ち着いたら考えるよ」

(それじゃね)

「あぁ、ありがとう」

      

直樹は椅子に凭れため息をついた

           

あの用紙を見つけてから

琴子が行きそうな場所や支援センター等に問い合わせたをしたが都内近郊では見つける事は出来なかった

松本に教えてもらった弁護士に連絡をしたところで、簡単には教えてもらえるはずもない

琴子の意識で動いているなら尚更だ

        

                  

                         

                  

🍂🍁🍂🍁

「沙穂子どうした…」

「…お祖父様……何でもないわ」

「…直樹君か……彼も今は忙しい時期だ……こんな事はこれからも続く…」

「…そうですね…」

「沙穂子が思う様な付き合いは出来んよ、会社を継ぐ者に自由はない、一緒に過ごす時間がないからと言って、攻める様な事はしてわいかん…」

大泉も最近の二人の関係が、微妙になっていることを気づいていたが、沙穂子が望んだ見合い、わきまえる様にたしなめるしかない

                 

融資を申し出た時、条件として沙穂子との見合いと言った時は、直樹は返事をしなかった

そこで大泉は直樹に見合いして、結婚をするなら、融資の返済は貸し付けた分だけでいいと条件に付け足した

いくらパンダイの時期社長といえ、学生の直樹に銀行が、融資等するはずもない

(所詮政略結婚だ、沙穂子の好きにさせて置いて、君は仕事に専念してもらっても構わない、沙穂子もその辺りはわきまえている)

そう直樹に話していた

        

             

              

                

     

      

       

               

                    

                  

    

       

     

        

        

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No title

これからは?入江君が、どう、動くか、また、大泉が、孫可愛いさで動くのかが?鍵だは、琴子ちゃんの今いる場所😁そうとな?田舎ぽいから、入江君が、作ったゲームが、底まで流れんのかも、疑問だな?琴子ちゃんじゃないけど😃私も、私立学校なので、ちょっと栗色の、髪でしかも、少し癖げなんですだから、琴子ちゃんの、気持ちわかるな?v-206

No title

琴子ちゃんが妊婦さんだけに、入江君にも、わかりました、松本さんに、お願いしたのも、琴子ちゃんの様子が知りたかったんでしょうね、謎の調査も気になるな、やはり大泉が、動いてるんでしょうか?でも、国際弁護士がついてるんだから、下手にいくら大泉でも、琴子ちゃんに手はだせないんじゃないかな?v-97

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Re: No title

>ルナさんコメントありがとうございます

こんな形で松本さんを起用しました
松本さんなら上手く立ち回ってくれますからね

入江君の行動はたまに突拍子もないですからね
どうやってこの問題を解決するか…

お嬢様はね……入江君が琴子の事を知ったらと気が気ではないですからね……

Re: No title

>なおちゃんさんコメントありがとうございます

そうですね、入江君どうするでしょうね
沙穂子さんもお祖父様に本当の事を言って、琴子ちゃんの所在を探す可能性もありますからね

そうなんです、はっきり言って田舎でございます!
一応夏場避暑地です

私も栗色なんです、昔はね……この髪のせいで先輩に呼び出され、髪は地毛かと聞かれました
地毛だからどうにもならないので、その後は呼び出される事はなかったですけど…
まだ中学入学して数日だったから、めちゃくちゃ怖かった……


Re: No title

>なおなおさんコメントありがとうございます

そうですね、入江君としては松本さんから何か情報が貰えたらと思ったでしょね
謎の調査、あまりにも大胆だから逆に松本さんに怪しまれてしまってますけどね
松本さんは優秀ですからね、入江君の欲しい情報以上の働きをしてくれました
そのおかげで、弁護士までいたら、簡単には見つけられない事は入江君もわかったでしょうね

Re: ありがとうございます

>ルルさんコメントありがとうございます

雑な調査員、確かに松本さんが入江君に連絡するくらいだからね
松本さんの力を借りるのは高くつくけど、入江君と似たところがあるからね松本さんは理由は聞かなくても、琴子ちゃんが関係してる事はわかってて、協力してくれるでしょうね

大泉会長としては、文句無しの人材ですよね
所詮政略結婚、会社の為の結婚、愛人がいても仕事さえしてくれたら目をつむるくらいしそうですね



Re: タイトルなし

>greenさんコメントありがとうございます

そろそろ入江君頑張って欲しいですね
そうですね、二人の事をなんだかんだで見てきた松本さんですからね、入江君が頼み事をするなんて、琴子ちゃんがらみだとわかっても、理由を聞かないで力を貸してくれるでしょうね

沙穂子さんはね……どうしたいのでしょうか……

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Author:itkiss
初めてイタズラなkissのIF物書いてみました