FC2ブログ

記事一覧

宝物(8)

   

       

美南の両親を連れてやって来た誠也

そこにもう1つの家族もいた

美南の交際相手の両親と本人だ

如月から連絡をもらい、どちらの家族も仕事や学校を放り出してやって来た

父親はどちらもスーツのまま、母親達もとりあえず鞄を持って飛び出して来た事がわかる

        

          

             

       

🌌🌌

美南は琴子と二人で生活しているリビングで

自分は6月にここに来たと話してくれた

    

「妊娠したってわかって、蓮君に話したのそしたら二人でちゃんと親に話そうって言ってくれたの、だからどっちの両親もファミレスに呼んで、そこで紹介しあって…妊娠したことを蓮君が話したの……そしたらどっちの親も大激怒…」

「……なんとなくわかる」

「もう、お店の中のお客さんもみんな……びっくりしてて、注目の的…」

「だよね…」

「結局話し合いにもならない……子供は諦めろとか、そんな年で育てられないとか…そればっかり……蓮君は高校出て就職するって言ったけど、親に今まで必死に勉強して来たのにって…人生を棒にするきかとか言われて……」

「……蓮君も…諦めろって?」

「ううん、大学は仕事しながらだってなんとかなるから、結婚を認めてほしいって言ってくれたの、でもどっちの両親もダメの一点張りで……」

「……」

「その日はとりあえず家に帰ったんだ…でもずっとその事を言われて……高校生で子供を生むなんてとか、これからもっといい出会いがあるかも知れないとか……それって蓮君との交際も認めないって事でしょ…だから荷物まとめて家を飛だしたの」

「え…じゃ…お友達のお家とかに?」

「ううん、マンガ喫茶とか、ネットカフェとか、転々としてたの」

「……じゃ…彼は…」

「とりあえず蓮君には、学校に行ってて、蓮君だけでも高校ちゃんと卒業してほしいって言ったの」

「…そうなの……」

「マンガ喫茶とかネットカフェも初めのうちはよかったけど、お腹が大きくなって来たら…なんか店員さんの態度がね……それでどうしようって…繁華街歩いてたら、和希君のお姉さんに声を掛けられたの、ちゃんと名刺くれて産婦人科医だからって、診てくれて、事情を話したら旦那さんが弁護士さんだから、相談してくれて、二人が本当に子供を望んで居るなら、助けてあげるって言われて、ここに来たの」

「そうなんだ…」

「琴子さんは和希君と光希さんの幼なじみみたいな関係だったんだよね」

「そうだね、生まれて物心付いた頃から小学生の時までね、和希君達がアメリカに行くことになったから……」

「和希君が、琴子さんの小さい頃の写真見せてくれたよ、妹が出来たみたいで嬉しかったって言ってた」

「え~…なんか恥ずかしいなぁ~」

     

「和希君ね、琴子さんを傷着けた人は許せないけど、琴子さんが一生懸命恋をして来た結果だし、琴子さんが決めた事だから……それで幸せになれるなら、支えて行きたいって言ってたよ」

「和希君は昔から、優しい人だった、あたしがわがまま言っても聞いてくれたり、疲れた~って泣くとおんぶしてくれたり……1つしか違わないから和希君も大変だったのに……」

「へ~」

「光希さんも、沢山遊んでくれて、本当にお姉さんみたいで嬉しかった」

      

「…琴子さんは…いいの…彼に何も言わないままで…」

「…うん、彼だけが悪い訳じゃないし……もう、二十歳にもなって妊娠なんてしない、大丈夫…なんて思ってたあたしもね…いけないから…それにね付き合っていた訳じゃないの……」

「…そうなの…」

「いろいろあって……辛い時だったの…あたしも彼も…」

「後悔してない?」

「後悔……はないかな、あの時…支えてくれたのは彼だし……辛いのは…お父さんに申し訳ないことしてるって事かな」

「まだ、伝えてないの…」

「お父さんと彼の父親が幼なじみなの……ずっと連絡が途絶えていたの、ちょっとしたことで再会してね、だからこの事がお父さんから彼の耳に入るのだけは避けたくて……」

「そうなんだ……」

「如月さんはきっと年末くらいには、お父さんに伝えられるだろうって…」

「どうして……」

「彼が…きっとその頃にはお見合いした人と婚約する事になるから……今あたしの事が知られたら…彼やご家族に迷惑になってしまうから……」

「………」

「……この子の事は一生伝えない、この子にも父親はもういないって教える事にしてるの」

「……そうなんだ…」

   

     

🍵🍵

琴子は五人の前にお茶を出した

「美南は…まだ…」

「そうですね、一時間ほど前に連絡がありました、出産は明日の朝くらいなりそうです」

「あの…僕が立ち会う事は……ダメなんですか…」

「……」

「……それは…」

「君は父親になる覚悟は出来ているのか?」

「……」

「今日まで美南は一人で頑張ってきた、LINEでやり取りしていたのは知ってるこの先美南と子供を支えていく覚悟があるか?」

いつも穏やかな誠也が険しい顔をしていた

「美南が、君だけでも高校を卒業してほしいと言って一人でここに来た…美南が望んだことだとわかっているが……如月に美南の居場所を聞いて…ここに君だけでも逢いにくることは出来たはずじゃないか?」

       

「……ずっと来たかったです…美南に会いたいって言った事もあります…美南に僕が迎えに来られる様になるまで待ってる、そう言われて……これからの為に…二人で頑張る為に……アルバイトして来ました…少しでもお金を貯めて……美南を迎えに来られる様に…」

「そうか……」

「卒業まで…あと半年……美南には申し訳ないけど…そう思ってましたでも如月さんから連絡もらって……どうしても側に居てやりたくて…」

「誠也さん……」

「……ご両親は……どうなんですか?二人のこと認められますか?」

「……」

「生まれてしまったら仕方ない…そんな思いで二人を認めるというなら……美南と蓮は家で預ります、蓮の事は如月に話て、高校卒業まで預かってもらって、卒業後は、二人で生活出来るようにこちらで面倒をみてもかまわないと俺は思ってます」

「……」

「ひどい事を言っているのはわかっています、あなた達と子供を引き離す事になるのだから、ですが両親が心から祝福出来ないのなら、この先二人を支えてくれる人は居ないに等しい、まだ二十歳にもならない子達です、大人の支えてが必要です」

       

「私達は…今日まで……四人で話し合って来ました……美南さんが家を出てまで蓮の子供を生む決心をしていること、蓮も三人で暮らせる様にと今までやったことないアルバイトをしてきたのも見ていました…だから今日……こうしてここに来ました…私達の孫を生む美南さんを支えてあげたいと今は思っています」

蓮の父親が話すと美南の両親もうなずいていた

「……そうですか、皆さんが同じ思いだったから、今日ここに来たと思っていいんですね」

誠也の言葉にうなずく両親達

        

「雪、ばぁに電話しておいて、今から行くって」

「はい」

「琴子は如月に連絡して、蓮が立ち会う事になったと伝えてくれ」

「わかりました」

   

それまで何処にいたのか政臣がやって来て

「……弁当だ……」

「…お父さん、お弁当作ってくれていたんですか!言って下ればお手伝いしたのに…」

「ありがとう、この時間じゃ、食べてる暇ないからな、病院で食べてるよ」

大きなお重を抱えて来た政臣、誠也はいつもの穏やかな顔に戻っていた

        

         

           

       

🌁🌁

   

「すみません、以前こちらに来ていた…男性は…」

「……そういえば、最近は来ていませんよ」

「そうですか…」

「失礼します」

店員は沙穂子の前に紅茶を置いて、頭を下げた

「あの……」

「はい?」

「どちらの方か…御存じでしょうか」

「……たしか……斗南大学の方ですよ、お名前はわからないですが…」

「……そうなのね…ありがとうございます」

     

話を聞いてから、沙穂子は和希を探していた

祖父に話をする前に、どうしても和希に会って、琴子の居場所を知りたい

もしも琴子が妊娠しているのなら、直樹や祖父に知られる前に琴子と話がしたい

見合い前に出来たのなら、そろそろ5ヶ月から6ヶ月になる

妊娠も6ヶ月を過ぎると、よほどの理由がない限り堕胎できない、そうなる前に見つけなければと焦る、沙穂子

         

         

                  

🌌🌌

「琴子ちゃん…今日はこっちで休んだら?」

「……え?」

「落ち着かないでしょ、一人だと」

「正直…落ち着かないです…」

「明日の朝までには連絡あると思うの、だから今日はここで休みなさい」

雪は美南の両親の為に用意した客室で休む様に言ってくれた

「ありがとうございます」

     

            

翌日の早朝に、誠也から連絡がきた

無事に男の子が生まれた

それを聞いた琴子達はホッとした

蓮達が病院に行くと美南は驚きもしたが、ずっと我慢していた不安から解放されて、落ち着いて出産出来たと誠也が話してくれた

   

午後になり、誠也と蓮達の両親が一度戻ってきた

今後の事を話し合う為に

    

蓮は今まで通り学校に行かせる、美南は自主退学という形をとる事になった

退院後は、美南はここで蓮が高校卒業するまでの生活をする

本来なら、両親と和解したのだから、東京に戻る事も可能だが子供を連れて帰れば直ぐに噂になってしまう、二人別々の学校だが二人が付き合っていたことを知っている学生達もいる、学校に知られると蓮の卒業も危うくなる

お昼過ぎに誠也は両親達をまた、送って行った、昨日今日と仕事を休んでいるからとりあえず蓮を残して東京に戻って行った

     

「琴子ちゃん、あたしはお母さんを迎えに行ってくるね」

「はい、わかりました」

「お父さんは……」

「さっき…お仲間と、蜂の子探しに行って来るって……」

「……なら……琴子ちゃんも一緒に行こう」

「…え?」

「一人で退屈でしょ、美南ちゃんの赤ちゃんも見に行こう」

「はい」

       

.

     

関連記事
スポンサーサイト



コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

No title

沙穂子さんも、相当あせってるみたいだなね?琴子ちゃんと、会って何を話すつもりなのか?下ろせとでもいうのか、琴子ちゃんの周り、要注意だねv-12

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

>ルナさんコメントありがとうございます

そうですね、私も子を持つ親なので、考えてしまいます
子供の同級生で、高校三年の卒業間近に妊娠発覚した子が居ました、問題にならなかったといえば嘘になりますが
三年でもう自由登校の時期だったため、無事に卒業できましたけど
身近にそういった事が起こると、親としては自分の子だったら…と考えさせられました

今の琴子ちゃんの事を知ったら、お父さんとしては入江家に怒鳴りたいだろうけど、そんな事をするようなお父さんでもないですからね
琴子ちゃんがそれでも幸せならと、入江家にバレない様にしてくれるでしょうね

沙穂子さん…そりゃあんな事を聞かされたら、気がきではないでしょうね……

Re: No title

> なおなおさんコメントありがとうございます

沙穂子さんとしては焦りますよね
本当にそうなら、入江君が知る前になんとかしたいと思うし
これをお祖父様に話してどうなるかわからないですからね

Re: ありがとうございますあ

> ルルさんコメントありがとうございます

そうですね、美南ちゃんも蓮君も親に言われても、自分達を貫いたから、両親も認めてくれましたが
現実はなかなか難しい問題ですよね

二人とは違って、琴子ちゃんの場合はどんなに好きな人でも、誰にも言えないし、辛いですよね

沙穂子さんはね…真実がわからないから余計に不安になり、よからぬことも頭を過るでしょうね

そうですね一番悪いのは入江君です

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

itkiss

Author:itkiss
初めてイタズラなkissのIF物書いてみました