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〇〇princeとcomplexgirl(30)

      

         

川沿いへ向かう二人

「うわ~すごい…」

「…」

「やっぱり、神社とかのお祭りと違って屋台がいっぱい!」

家族連れの多い屋台の通り

「子供はやっぱり花火より屋台か~」

「…」

「これだけあるとどこが美味しいとかわかんないよね」

「どこも同じだろ…」

「あ、そんな事言ってるけど、たこ焼きだって、こっちはスタンダードで、数が8個入り、あっちは大タコ入りで6個、たこ焼き屋さんでも違うよ」

ほぼ向かい合う様に出ているたこ焼きの屋台を見比べる琴子

「あそこのわたあめは、キャラクターの袋昔からあるタイプだけど、こっちは透明の袋だけど、中のわたあめがグラデーション」

言われてみれば同じ物でも見せ方で子供が喜ぶ物、最近流行りのインスタばえを狙った物とさまざま

よく見てみれば、昔はたい焼きといえば、つぶあん、それが今は、カスタード、チョコ等様々

屋台も昔ながらの焼きそば、たこ焼き、お好み焼き、たい焼き、リンゴ飴、クレープ、アメリカンドッグ、、等と並び、ケバブやチヂミ等と多国籍になって来ている

「あ、あのたこ焼き…中身が牛肉だって!」

「そりゃたこ焼きじゃねぇだろ…」

「でもね、今は家庭でも出来るじゃない、ウインナーにチーズとかキムチとか入れてたこパしたりするらしいよ」

「らしいって…」

「F組の子が教えてくれたの」

「ふぅん」

    

花火を見に来て、こんな風に屋台を見比べることなんてしたことがなかった直樹

毎年、お腹さえ満たされるならどうでもよかった

「入江君は何か好きな屋台の食べ物ある?」

「…広島焼き…」

「え!」

「お好み焼きより、腹が満たされる…」

「…確かにね」

ずらりと並ぶ屋台から広島焼きを見つけた琴子は

「じゃ、入江君は広島焼きでいいね」

そう言って列に並んだ

「おじさん、一つください」

「へい、一つね」

焼きたての広島焼きを袋に入れてもらい、お金を払うと

「はい、入江君の分ね」

「お前は?」

「あたしは、たこ焼きが食べたの、でも焼きそばもいいかなぁ~」

キョロキョロとすると、並びで焼きそばとたこ焼きを売る屋台を見つけた

店主が同じらしくたこ焼きと焼きそばを一緒に買って行く人達

「たこ焼きください」

「たこ焼きね、焼きそばはどうだい」

隣では、若い女性が焼きそばを焼いている

「じゃ、焼きそばも一つください」

「お姉ちゃん、かわいいからオマケしてやる」

「わ~ありがとうございます!」

店主は8個入りのたこ焼きに2つたこ焼きを入れてくれた

焼きそばとたこ焼きを入れた袋を受けとる

「ありがとう~」

そう言って、手を振る女性は自分達変わらない歳、笑いかけ手を振る琴子

      

「お待たせ~」

買ったばかりの焼きそばとたこ焼きを嬉しそうに持ってやってくる琴子

「どこで食べようか~」

「こっち…」

歩き出した直樹について歩く琴子

川沿いを歩いて行くと、屋台がある場所から少し外れ人もまばらになってきた

「あんまり花火見えないよ…」

「…」

ビルが邪魔をして、花火の光しか見えない場所にある公園にやって来た

「もしかしたら、いつもここに来てるの」

「年に一度…」

小さな公園にはいり、途中で買った飲み物と食べ物をベンチに座って食べる二人

「お前は花火見なくていいの…」

「花火より、お腹が空いてるもん」

「……」(花より団子…花火より焼きそば…)

隣で美味しそうに焼きそばを食べ始める琴子

「…やっぱり、屋台の焼きそばは美味しいね~」

「どれも一緒だろ…」

「なんてことを……焼きそばって、屋台のはモチモチしてます……キャベツもべちゃっってなってないし…」

「お前って……作れないのに……そういうのうるさいな…」

モグモグと焼きそばを食べながら

「どうせ…作れませんよ…」

「お前…そんなんで……独り暮らしなんて……出来んの…」

「うっ…」

        

「…だから…今頑張ってんじゃん…」

「………」

「別に今みたいに……誰かに食べてもらう物を作る訳じゃ無いもん…食べられれば言い訳だし…」

「……」

「今は、すごく便利なのあるし…」

「……あれか…コンビニ…」

「違います~、もう切れてるお野菜とか~、タレ買って入れればOKなのがあります~」

「ふぅん…」

「ふぅんって…」

      

「お前さぁ、なんで看護師になりたいわけ…」

「…それは…やっぱりお母さんの事が大きいかな…倒れて…救急車で運ばれて…それからずっと病院のベッドと上に居たの…その間ずっと看護師さんが、笑顔で励ましてて闘病生活支えてたくれてたの見てたから…毎日、朝、昼、夜…体温計って、血圧計って…点滴を替えたり…体を綺麗に拭いてくれたり…すごいって思ったんだよね、誰かの支えになって頑張ってる看護師さんが、いつかあたしもそんな人になりたいって」

「……」

「…お父さんが料理人になった理由は…たしか……自分の作るご飯を食べて、笑顔で美味しかったって言われたい…だったかなぁ…けっこう単純な理由な気もするけど」

「…親父は…自分の作ったオモチャで子供が笑顔になってくれて、夢中で遊んでほしいって…言ってたな…」

「そうなんだ…」

「…俺は…ぜんぜん遊ばなかったけど…祐樹はよく親父と遊んでた…」

「今でも、一緒にゲームとかしてるもんね」

      

「…小さい時になりたいって夢を、大人になって現実に叶える人って…世の中にどのくらいいるんだろうね」

「…さぁ…」

「けっこう大きくなってから、現実をみて仕事に着くって方が多いよね…大きくなるにつれて…なんとなく学校行って…別に食べていければいいって考えで…仕事に着くとか…」

「お前は…そうじゃないだろ…」

「…どうかな…看護師になりたいって気持ちはあるよ、だけど…それが自分の天職とは限らない…」

「……」

「…おじさんの会社を継いでもっと大きくするか…自分の決めた道に進むか…迷ってるんでしょ…」

「……」

琴子は焼きそばを食べ終わり、たこ焼きに手を着けた

「あっ……ん~、これは当たりね~」

「…当たり?」

「外はカリカリ、中はとろ~り、タコも大きい~そして冷めても美味しい~」

「……」

直樹の目の前にたこ焼きを差し出す

「……」

「運試ししない?」

「はぁ?」

「一つの場合と二つの場合どちらかをおじさんの会社を継ぐと考えて」

「……馬鹿馬鹿し…」

「馬鹿馬鹿し事だけど、迷いがあるなら、ウジウジ考えないで、きっぱり決めた方が楽になるわ」

「……」

「それとも怖い?自分の思いじゃない方が出るの…」

「……」

「どうする?」

「…わかった…」

「そう、それなら、どっちにする」

「一つなら…親父の会社」

「OK、じゃ選んで」

たこ焼きは7つ、直樹は目を閉じると一つ箸で摘まんで口に入れた

「……」

「一つ、二つそれとも…0とか…」

「……」

「ちょっと、口開けなさいよ!」

直樹の舌の上には二つのタコ

「自分の決めた道に進めってことね」

「……」

「よかったじゃない、こんなことでも、スッキリするでしょ?」

「……」

そう言って笑うと、たこ焼きを口に入れた

直樹ももう一つ口に入れ

「……お前!」

「選んだのは入江君よ、あたしはタコがはじめから二つ入ってるなんて言ってない、たこ焼きにはタコは一つしか入っていないって思い込んでたのは、入江君」

琴子が買ったたこ焼きには、小さなタコが全て2つずつ入ったたこ焼きだった

琴子の言う通りだった、たこ焼きには一つしかタコは入っていないと思い込んでいた、だからもし二つ入っていれば…そう思った

自分がこんな単純な事に引っかかるなんて思ってもみなかった

それと同時に…迷いがなくなった

      

         

        

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コメント

No title

最近、お祭りや、花火大会ので店も、色々あるね、お好み焼きや、焼きそば、たこ焼きなどは定番ですが?ケバブや、ちぢみなんて小さい頃はなかったよね?自分がなりたい夢て、本当に些細な事ですよ、本当になれるか?また、なったとしても向いてるかも、わかりません、でもやってみて、あっていなかったとしても、悔いはの凝らないですよ?そしたら、またチャレンジすればいいですよ?最近は特に自分の夢を、見つけられないて言う人も、増えているとか、入江君もそのなかの、一人かも、回りに何でもあるから、入江君も個人て言うか余りにも、恵まれ過ぎて余計見つけられない感じかなv-290

Re: No title

> なおなおさんコメントありがとうございます

そうなんですよね、今は屋台も多国籍になって来てますよね、私の子供の頃になかった物がやっぱり多くて驚きます

子供の頃のなりたい物はコロコロ変わりますからね
入江君は恵まれ過ぎたのと、お父さんが社長と言うこともあって、なんとなく継ぐことになるんだろうなぁ…って感じて過ごして来てますからね

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初めてイタズラなkissのIF物書いてみました