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〇〇princeとcomplexgirl(21)

      

       

入江家では、このバーベキュー慰労会で初めて入江夫妻が息子達の将来についての夫婦バトル?のおかげか、自分達企業している者としてはこの先、自分の子供が継いでくれるのか、本当に継がせてもいいものかと考える人達も現れた

継ぐのが当たり前と考えていて、いざと言うとき自分はどうするか

親の家業を継げば就活しなくても、自動的に将来社長になれるからと楽観的に考えている、我が子はほんとにこれでやって行けるのだろうか…

小さな町工場の様な会社は血縁関係者がほとんどだ、そして代々長男の子供が、ゆくゆくは社長…役員もその兄弟だったりと他所から人を入れる事はなかなかしない、従業員にいくら優秀な人材がいても、結局は一社員としてしか扱われない

いくら大企業と業務提携をしているといっても、いつ切られるかわからないのだから

     

直樹が出掛けたとなれば、大泉はもう、用はないとばかりに、沙穂子を連れて

「次の約束があるから、そろそろ失礼するよ」

と帰ってしまった

    

「次の約束…うちはお呼びした覚えもないのに…やって来て…」

「ママ…」

「それとも…パパがお呼びしたんですか…」

「まさか!」

「言っておきますけど…あの孫娘さんを嫁になんて考えないでくださいね…常識的に考えて、お招きされてもいないし、何の連絡もなしに訪問することがどれ程非常識なのか…お祖父様が会長だから何でも思い通りになるなんて考えているならなおさら…」

「……」

「経済界のドンと恐れられているのは、私も知ってます、ですが、それはあの会長であって、孫娘ではありません…」

「そ、そうだね…」

     

👟👟👟

「ねぇ…どうして、さっきあの…沙穂子さんとかにご挨拶しなかったの?」

「…俺には関係ないから…」

「関係ないって…おじさんの会社に関係ある人なんでしょ…」

「…いや…まったく関係してない」

「え?そうなの…でも何度か合ったことくらいはあるんでしょ?」

「…中学の頃、親父の会社のクリスマスパーティーの合ったホテルで…向こうもパーティーをしていたんだ…その時見かけたくらいだった気がする…」

「でも、向こうは親しそうな感じだったけど…」

「…一昨年くらいからかな…うちでバーベキューしてたら突然来た、お袋がテニス部の合宿ってことにしてくれたんだ去年も…」

「去年も一昨年も…嘘ついたの…」

「お前も聞いたことくらいあるだろ、北瑛グループ…」

「あ~知ってるよ、全国にチェーン展開してるホテルとかいろいろやってるところよね…」

「…うちに融資を兼ねた業務提携を打診してきてる」

「そうなんだ…」

「俺が…親父の会社を継ぐ前提だ…それと…あの孫をうちの嫁にするのが狙い…」

「え?嫁」

「北瑛グループの孫娘がパンダイの次期社長の嫁となれば、あの会長はパンダイに何かしら口を挟むことができる…」

琴子は、ん~…と眉間にシワを寄せて

「要するに、ゆくゆくは北瑛の傘下に…って感じ?」

「たぶん…」

くるくると日傘を回している琴子

「でも、あの人は入江君の事が好きみたいだよ」

「…知らねぇ…」

「…知らねぇって…」

「だったらお前はどうなんだよ…」

「何が?」

「好きでもない奴が、勝手に押し掛けてくるんだぞ…」

「………」

日傘の中の琴子、突然直樹の顔が目の前にきて

思わず立ち止まり後ろにのけぞる

「……あたしが入江君の立場だったら……やっぱり嫌…」

「…だろ」

「こればかりは……相手にいくら好きですって言っても…自分はぜんぜん好きじゃなかったら…ダメだもんね…」

琴子の答えを聞いて、少しホッとしたような顔をしてまた歩きだした直樹

「…やっぱり入江君くらいになると…おじさんは期待しちゃうよね…将来会社に入って、ゆくゆくは社長になってほしいって…でも…あたしは…おばさんの意見かな…将来は自分の好きなことをしてほしい、本人がやりたいならそれをやらせてあげたいって…」

「……」

「うちもさぁ…お父さん…板前さんと結婚して…お店継いでほしいと思ってたと思う……だけど小学生の頃将来の夢って作文に、ナースになりたいって書いて…お父さん苦笑いしてた…まぁ~料理人の子供なのに、料理できないってわかって呆れてたし…諦めもついたんだろうけど…」

「…お前は看護師になりたくて大学行くわけか…」

「うん、そうなんだけど…ちょっとヤバいかも…」

「今の成績ならいけるだろ…」

「成績だけならね……」

「なんだよ…」

「あたし…じつわ…注射苦手なの…それに……血を見て…貧血起こしたり…体が小さいでしょ…看護師ってけっこう体力勝負だったり…患者さんを移動させたりするから…大丈夫かなぁって…」

「致命的だな」

そう言ってクスッと笑う直樹

「ちょっと…今笑ったでしょ…」

「いや…」

「入江君はいいよ…何にでもなれそうだもん…」

「…何にでも?」

「そうだよ…そりゃおじさんの会社の事があるから…あれだけど…入江君なら…外交官とか弁護士とか…お医者さんにだってなれるよ…入江君はその頭脳を独り占めしないで…周りに貢献すべきかもね…」

直樹は横で空を見上げいる琴子を見る、別に嫌みで言っているわけでもなくただ純粋に思った事を口にしているだけなのは顔を見ればわかる

周りから親の会社を継ぐのが当たり前の様に言われてきただけに、琴子の何にでもなれる、その頭脳を貢献すべき、という言葉は新鮮だった

     

図書館について、借りていた本を返却し、琴子は興味のある小説を探していた

直樹は職業別に並んだ本棚を観ていた

何度も図書館には来ているのに、一度も来たことのない場所

外交官や弁護士は、クラスの中に目指しているものが多くいる

(医者か…)

今までいろいろな本を読んできたが、医学書は読んだ事がなかった

手にした医学書をその場でパラパラとめくり、流し読みしていく

学校の保健体育で習う簡単な物ではない医学書を知らず知らずのうちに真剣に読んでいた

   

琴子は自分の読みたい小説を借りて、直樹を探した

琴子が近くに来たことにも気づかないほど夢中になっていた直樹

琴子もそれなら本人が気づくまでそっとしておこうと、近くの椅子に座り借りた小説を読み始めた

    

🌆🌆

いつの間にか図書館は閉館時間に…直樹は数時間、その場に立ったままでいたことに驚く…慌てていくつか本を持ち受付で借りた

          

「…悪い…」

「あ~…大丈夫、大丈夫、なんかすごい真剣にだったから」

「……」

「もう借りたの?」

「借りた…」

何も言わず黙って本を読んで待っていた琴子にも驚いた…

きっと他の人なら、何を読んでいるのか、まだ決まらないのか(誘った手前、放置していたわけなのだから)と文句でも言って来そうなものなのだが…

椅子から立ち上がり背伸びをすると

「お腹空いたね、須藤さんとこのファミレス行こうか」

「そうだな…」

「須藤さんおごってくれるかなぁ~」

「あの人…ケチだからな…」

「アハハ、そうなんだよね~アルバイトしてて、あたし達高校生よりお金持ちなのに、いつも売り上げに貢献しろって言うんだよね~」

日も傾き、折り畳みの日傘を綺麗にたたみ、鞄にしまう琴子

        

       

🍝🥗🍛☕🍨

ファミレスに入ると、お盆とあっていつもより沢山の学生や家族連れがいる

「いらっしゃいませ、何名さまですか」

お決まりの言葉

「二人です」

「喫煙席、禁煙席どちらになさいますか」

「禁煙席で…」

見たらわかりそうなものなのだが…これもお決まりの言葉なのだから仕方ない

案内された席につくと

「お決まりになりましたらボタンを押してください」

メニューをパラパラとめくる二人

ホールの中、須藤がまだ仕事をしていた

食べたい物を注文して、ドリンクバーで好きな飲み物を持って来ると

「よお、悪いな…ちょっと混んでてな、後30分くらいで上がれる」

「わかりました」

      

       

      

       

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コメント

No title

いくら、親たちが大企業の社長さんだから、子供が継ぐのは当たり前手考え好きじゃないな?それじゃ子供たちより、優秀な人材だったら社員だったらダメでしょ、会社だって成長しないは、大泉会長は、入江君がやっぱり目的,沙穂子さんをくっ付ける魂胆なんですね?この後入江君が、お医者さんの道に行く勉強をしていくこと、紀子ママは応援してくれることでしょうね?入りちゃんパパも少し、入江君のやりたいことを、応援できるパパでいてほしいな。e-53

あの方達は無視して、琴子ちゃんと図書館にいった入江君、そこで医学書に興味をもったから琴子ちゃんと同じ大学に行き医者になるんでしょう。

Re: No title

> なおなおさんコメントありがとうございます

父親はねどうしても自分の会社を継いでほしいって思うとでしょうね、それがとても優秀な息子ならなおさらですよね

大泉さんはね、入江君の優秀な頭脳と容姿を手に入れたいでしょうね、そのためには孫娘をと…うちの孫娘は誰にでも気に入られて当たり前だと思ってますからね

Re: タイトルなし

> アメチさんコメントありがとうございます

すごいよね…ガン無視するんですから…
大泉会長や沙穂子さんにしたらどうして?ですよね

琴子ちゃんの言葉は多少入江君の心を動かせたかな?

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初めてイタズラなkissのIF物書いてみました