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突然ですが…(19)

   

慰安旅行当日

「…お前…どんだけあるんだよ…」

「失礼ね…女の子はこんなものよ…」 

「………」

「なにか?」

「二十歳過ぎて女の子はない…」

「…今日の旅行で一番若いですよ!」

「おっさんばっかりだしな…」

「あら残念、この旅行、教授や院長の奥様方は、実費で参加されてます~」

「…マジかよ…」

「だから、楽なのよ、席はだいたいご夫婦で座ってるからね部屋も夫婦だし、宴会は男女別れて座って、教授達は教授達で話してるし、奥様方は最近の近況やら話してるから、お酒もあまり飲まないから、お酌して回る事もないの」

「お前が1陣選ぶ訳だ…」

「当たり前でしょ、ちなみに去年は一人部屋~」

集合場所の病院の敷地、すでに数名のご夫婦が到着している

「おはようございます」

「おはよう、今年もよろしくね」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

続々とやって来る人達

「…よろしくって…なんだよ…」

「ちょっとね」

ニコッと笑う琴子

「おはよう、琴子ちゃん、入江先生、今日は妻も一緒だ」

「琴子ちゃん、お久しぶり元気?」

「おはようございます、はい元気ですよ」

「おはようございます…」

「あ、入江先生ね、桧山からいろいろ聞いてるわ、ほんとびっくりするくらい、イケメンね」

「……」

次々にやってんな来る教授夫婦、暗黙のルールなのか、バスに乗り席に着いた

「琴子ちゃん、久しぶりね」

「院長、奥様、お久しぶりです」

「おはようございます…」

「入江先生、僕達の無理を聞いてくれて、悪かったね」

「いえ、お誘いいただいて、光栄です」

「琴子ちゃんも入江君も、若いから、私達みたいな親や祖父母世代と旅行なんて、つまらないでしょ…」

「いえ、騒がしいのは、好きではないので」

「そうなのね」

院長夫婦がバスに乗ると

「これで、皆さん揃ったわね、じゃ、入江君どうぞ」

「…お前…添乗員みたいだな…」

「そう?」

    

直樹がバスに乗ると小暮が手招きし、後部座席の真ん中に座らされた

     

「え~皆さんおはようございます、添乗員兼バスガイド?の相原琴子で~す」

マイクがら聞こえてくる挨拶に、愕然とする直樹

「そうか、入江君は初めてだな、僕達の慰安旅行は」

「…そうですね…」

   

「琴子ちゃ~ん、頑張って~」

「ありがとうございます」

そう言って、病院とは違い、笑顔で手を振り答える琴子

「え~バスガイドさんはちゃんといるので、ご心配なく~、今回の慰安旅行は、皆さまからの要望を取り合いれ、サファリパークへ行きます!」

「「ほお~」」

「この年じゃ、サファリパークなんてなかなか行けないものね~」

「一度行って見たかったのよ~琴子ちゃん、パークのバスに乗れるの?」

「はい、皆さまのご要望のサファリバスに乗って、パークを周りますよ~」

琴子の話しに、なぜか拍手する奥様方

「孫に自慢出来るわ」

「夫婦で行くのは、気恥ずかしいけど、慰安旅行でならね~」

      

今回の要望はどうやら、奥様方の物らしい

「琴子ちゃん!僕らがお願いしたのはどうなったかな」

「はい!宿泊は下田の旅館です、夕食に金目鯛のしゃぶしゃぶとタカアシガニが用意されてますよ~」

「「お~」」

「毎年、似たようなツアーだったからな~」

「観光場所を控えたら、夕食は豪勢になるわけだ~」

「楽しみね~」

「それでは、本物のガイドさんに代わりま~す、以上琴子からのお知らせでした~」

拍手する奥様方や教授達

「……」

「琴子ちゃんのお友達が観光ツアーの代理店に居てね、こんなツアーをお願いしたんだよ」

「僕達みたいな、年齢になると、歩いて観光は疲れて…肝心の宴会でお酒が入ると、眠くなってしまうからね」

直樹に説明する、小暮と桧山

   

バスガイドの話しを聞きはじめの目的地に向かうバス

一時間ほどすると、トイレ休憩のサービスエリアに着いた

   

サービスエリアに着き、バスを降りて行く人達

病院の集合場所ではあまり気にならなかったが、たった1泊の旅行でも、女性達の服装はブランド物をさりげなく身につけた格好で、普段ワイシャツに白衣を羽織てスラックス、ネクタイの教授達はポロシャツやカラーシャツにベスト

直樹や琴子に至っては、ほとんど普段着

「…お前…それ普段着てるよな…」

「他の同僚なんかと来たら…服装もかぶらないようにしないといかないから大変だけど、ちょっとおしゃれな普段着で来れちゃうから楽でしょ」

    

確かに、この人達との旅行なら服装で張り合う事もない

院内で最近もっとも話題になっていたのは、旅行の服装や水着だった

それを考えてると、確かに楽だ

  

「トイレ休憩なのに…長くないか?」

「あ~…、普通は15分くらいらしいけど、30分あるよ」

ベンチに座って飲み物を飲んでいたり、喫煙所でのんびりタバコを吸っている人達

「…」

「トイレは混むからね、あわただしくトイレに駆け込むよりいいでしょ」

至れり尽くせりの慰安旅行に

「お前…気を使うの嫌って…」

「愚痴を聞いたり、酔っぱらいの相手はいやよ、変な気を使うから」

「まぁ…な…」

「自分が少しでも癒されるためなら、努力するわよ、現にこうして座っのんびり出来てるし」

「なるほどな…」

     

「入江君はどう?教授達となんかお話してたけど」

「普段会う事のない教授達との意見交換は、勉強になる」

「そう。よかったね」

    

バスに戻ると、教授達は後方、女性達は前方と席が別れている

「気にしないで、いつもこんな感じだから」

「ふぅん」

直樹は先ほどと同じ席に座った

                       

「は~い皆さんお揃いですか~、この後はサファリパークまで止まりませんよ~大丈夫ですか~」

琴子のの言葉に楽しそうに笑う女性達

「それでは~ここで少し、サファリについてですが~、バスから…なんと!猛獣さんにエサをあげられま~す!」

「まぁー!」

「琴子ちゃん!ほんと!!」

「なんたか、ワクワクしちゃうわ」

騒ぐ女性に

「はい、ライオン、トラ、チーターにあげられますよ!だだし!自分の手からはダメですよ。大事な手をケガしたら、お昼ごはんはおろか、金目鯛のしゃぶしゃぶ食べられなくなりますからね~」

「やだ~琴子ちゃんたら~」

聞いているガイドもクスクス笑っいる

   

「琴子ちゃんのこういう、サービス精神はいいところだ」

「あの笑顔を観てると、こっちまで楽しくなるから、不思議な子だ」

「病院内では、なかなか見られない素の琴子ちゃんだからな」

「ですね…」

「入江君は高校が同じだったんだろ、その頃学校ではどうだった?」

「…そうですね…彼女は明るくて、沢山友達がいましたね」

        

「猛獣ゾーンでは、旦那様と恋人同士だった頃を思いだして、一緒にエサをあげてくださいね~」

「やだ~琴子ちゃん」

「恋人だった頃なんて、もう何十年も前よ~」

「恥ずかしいわよ~」

「何を言ってるんですか~、女性はいつまでも女の子だっていいんですよ~、かわいい奥さんに戻って、旦那様をドキッとさせてあげましょう~」

        

「ほんと…乗せるのが上手いな…琴子ちゃんは」

「娘達なら、いい年した大人がみっともなから止めてって、言うだろうな」

「一年に一度の奥さん孝行、妻達に楽しんでもらうためには、琴子ちゃんみたいな子が必要なんだ」

いつも気難しい顔をしている教授達も、琴子の話しに、照れていたり、笑っている

         

         

   🦁🐯

サファリパークに付くと、二組に別れて、パークのバスに乗り、パークのガイドの説明を聞いてながら、景色を観ている

   

猛獣ゾーンに差し掛かるとガイドがエサのやり方や注意点を説明する

「では!後ろの若いご夫婦にお手本を見せてもらいましょう!」

「「………」」

 ガイドが、直樹と琴子を指名した

「あの!夫婦では…」

「いいじゃない、このツアー夫婦しか居ないんだもん、ツアー中は夫婦ってことでも~」

「そうよ、琴子ちゃん」

「私達だけが、恋人同士に戻ってイチャイチャ、エサやりしてたら、二人に悪いわ」

「そういう体験も楽しいわよ~」 

「それはそうだな、入江君これも今後の役に立つ経験だよ」

「「………」」

楽しそうに二人を観ている、夫婦達

   

「わかりました!琴子頑張って入江先生の恋人役やらせていただきます!」

「そうそう、みんなで楽しくやりましょ~」

「ほら、ご指名されたんだから、見本見せて!」

「わかりました!頑張りま~す」

立ち上がた琴子

「入江先生…は変ね、入江君、よろしくね」

「……よろしく…」

二人はガイドの説明通りライオンにエサを与える

「うわ!すごい…キバ!」

「…お前の指なんてひと噛みでイカれるな…」

    

「それでは、皆さんもどうぞ!」

ガイドの言葉で、他の夫婦も目の前のライオンにエサを与えた

どの婦人も、楽しそうに話しをしていたり、動物を眺めている

   

「…予想外なことが起きたわね…」

「お前がバスのなかで煽ったからだろ…」

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コメント

No title

慰安旅行で普段の琴子ちゃんとは違う琴子ちゃんが、見れましたね入江君?この前もだけど、琴子ちゃんを、高校のころから何気に、気になってる存在だったんだね?だけど,琴子ちゃんは、入江君のことは、周りが騒いでたことは知っていても、入江君のことはまるで知らないに等しい、それで祐樹君を助けた琴子ちゃんに対してあの言動は、手なるよね?一緒に暮らしてる中で少しは見直してくれてる部分もあるかもしれないけどねv-7

Re: No title

> なおなおさんコメントありがとうございます

高校生の頃を知ってる、教授夫妻や院長夫妻がいますからね
高校の頃は、明るい笑顔の琴子ちゃんの周りは沢山の友達がいたでしょうから、何気に目立っていたから
入江君も見ていたでしょうね


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初めてイタズラなkissのIF物書いてみました